5月1日午前8時より、渡辺行夫先生のアトリエで、今回現代アートに出品していただくことになった「ティラノサウルス」の荷解き作業を行いました。
このティラノサウルスは、2020年の制作で、札幌のベニザクラパーク・アートアニュアルに出展後は、先生のアトリエの庭で、頭部・胴体・尻尾に3分割された状態でブルーシートに梱包されていました。
尻尾部分だけでも4メートルの長さがある、迫力満点のこの恐竜は、前回は室内展示でガラス越しにご覧いただいていたものですが、今回の展示では芝生の上の屋外展示となるため、撥水加工塗料をしっかりと吹き付ける下準備が必要で、この日の作業となりました。
まず尻尾を横倒しにして別の場所に移動、次に頭と胴体部分のシートを外し、本体を傷つけないように木枠から取り出します。
リアルな質感の肌は、イタドリの茎を粉末にし、木工ボンドと練り合わせて塗り固めるという技法で、渡辺先生が独自に生み出したもの。大きな後ろ足と胴体が姿を表し、ぐるりとシートを剥がしながら尻尾との接続部分に回り込んだその時!
なんと、発泡スチロールの窪みに黒猫が!
どうやらこの冬の寒さを、断熱材の空間の中でしのいでいた様子。更に驚いたことに、このノラ猫さん、恐竜のお腹の中で3匹の子猫を育てているのでした。これには渡辺先生もびっくり。
風よけのシートが外されて、もはや安心できる住処ではないと悟ったのか、母猫は姿を隠し、3匹の子猫はひとまず渡辺先生が保護。子猫はまだ目も開いていない様子なので、近所の動物病院に相談してみるとのこと。もし子猫の里親を探すことになりましたら、このブログでもアナウンスさせていただきます。
といった珍事件を挟みながら、恐竜の頭をアトリエに運び入れて、本日の作業は終了。晴天時を見計らって塗料の吹きかけを行い、ながら公園へトラックで移送、組み立ての段取りです。
今は3分割ですが、組み立て後の全体像はこちらをご参照ください。是非会場で、リアルなティラノサウルスをご覧くださいね!